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  • 執筆者の写真すずきあさよ

そもそもなぜ、今の仕事をするの?源泉につながると

更新日:2022年7月9日

小樽へ行くと、いつもは海、温泉、グルメを楽しむのですが、今回は、以前から気になっていたカフェへ入ってみました。


文学カフェ&文豪バー「魁陽亭 越治」さんです。(*かいようてい こしじと読みます)。


かつては、この場所に伊藤整や小林多喜二など、文豪や芸術家たちが集まっていた喫茶店「越路」があったそうです。

大正ロマンを感じさせる調度品に、文豪たちの作品が並べられていました。お汁粉を注文して、本棚を眺めていると、懐かしい本を見つけました。



石川啄木の本です。

私が文章を書くことに喜びを覚えたのは、92歳で他界した函館の祖父がきっかけでした。



子どもの頃、大阪に住んでいて、函館の祖父に手紙を書くと、いつも、「あこちゃんが手紙を書いてくれて、うれしいで候!!」と、筆文字の手紙が返ってきました。これが子どもながらにインパクトがあったんですね。



手紙と一緒に、私の好きな物をたくさん小包で送ってくれたのです。だから、書く=喜ばれてうれしい!! とインプットされていったのです。



明治生まれの祖父は、石川啄木の大ファンでした。中学生の頃、夏休みに函館の祖父のところへ遊びに行った時、石川啄木由来の地めぐって、一緒に短歌を読み上げました。



そして、立待岬で、お互いに短歌を作って遊んだのです。その帰りに祖父が1冊、石川啄木の本を買ってくれました。それがこの本だったのです。



刺激を受けた私は、函館を舞台に短歌を作って、ある雑誌に送ったところ、特別賞と金賞をもらいました。



私はこれまで、書いて表現することで、多くの人と出会って来ました。しみじみ、このつながりは、祖父のおかげでもあるんだぁと思ったのです。



そもそもなぜ、今の活動をするのだろうと振り返って、源泉にたどり着いたとき、そこに感謝があふれているのは幸せなことですね。



物を書いて発信していると、決して、いいことばかりではなく、大変なこともあります。けれど、そんなとき「源泉」を感じ入ると、再び、エネルギーが湧いてくるものです。



あらためて、感謝を込めて文章を書きたいと思う日となりました。

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