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  • 執筆者の写真すずきあさよ

日本最北端の温泉郷「豊富温泉」で奇跡の油風呂体験!

更新日:2022年7月29日

こんにちは、鈴木麻代(あさよ)です。豊富温泉ワーケーションモニタープラン体験日記の第5回は、「日本最北端の温泉郷『豊富温泉』で奇跡の油風呂体験!」です。


今回、「豊富温泉へ行くことになった」と、周囲に伝えると、「世界的にも珍しい温泉の湧く地域」、「油分を含む温泉で、化粧品がいらなくなる」、「奇跡の湯と言われている」などなど、コメントが寄せられてきました。


そこで、ググってみると、「天然オイルバスで美肌の湯」や「湯治ワーケーション」などのキーワードで紹介記事が出ています。


期待が膨らむところですが、実際はどうなのか、まずは現場を体験してみることに……。

宿泊先の川島旅館でチェックインを済ませ、浴衣に着替えて、町営の「豊富温泉ふれあいセンター」へ向かいました。豊富温泉ふれあいセンターは、川島旅館の横通り、目の前にあります。


豊富温泉ふれあいセンターには、湯治専用の浴場と、一般の浴場があり、ほかには、売店や食堂、湯治の健康相談ができる「豊富温泉コンシェルジュデスク」があります。


「豊富温泉コンシェルジュデスク」があるとは、なかなか本格的なイメージです。初めて湯治に訪れる人も安心して利用できそうです。


(今回はライターとして取材で伺っているわけではありません。そのため、温泉浴場や脱衣場で写真を撮影することは他のお客さまのご迷惑になるため、撮影はしていません。後日、豊富温泉公式サイトから許可を得て、お借りした画像に体験談を添えての記事となります)。


豊富温泉の開湯はいつ?歴史のお話し

豊富町では1925年(大正14年)に、石油の試掘がはじまり、翌年の1926年(大正15年)の5月に、地下約960メートルのところから、高圧の天然ガスとともに、弱い石油の香りがする43℃のお湯が噴出。これが豊富温泉の開湯となりました。

写真提供 豊富温泉ミライノトウジ
写真提供 豊富温泉ミライノトウジ

石油を掘り当てたかった当時の関係者らが、この状況を喜んだかどうかはわかりません。しかし、日本最北端の温泉郷として、また、湯治場として、現在も多くの人が癒やしを求めて訪れているのです。


豊富温泉の泉質

写真提供 豊富温泉ミライノトウジ
写真提供 豊富温泉ミライノトウジ

豊富温泉は、含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性高張性温泉)と、含よう素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉(弱アルカリ性高張性冷鉱泉)の2種類の泉質が湧いています。


温泉の色はどちらも黄濁し、井戸からは、石油や天然ガスとともに湧出してくるため僅かに油分を含んでいるのが特長です。


私個人的には「含ようそ素」に、心がひかれます。


豊富温泉公式サイトの動画で、とてもわかりやすく泉質のこと、湯治データが紹介されています。温泉郷や湯治場を訪れる人の年齢が20代、30代と若い人であることが以外でした。

2015年には日本名湯百選に選ばれ、2017年には温泉総選挙第4位になった温泉です。



天然オイルバス入浴体験記

なんだかすごそうな温泉という印象を持ちました。とにもかくにも、まずは入って見るべし。ということで、湯治客ではない私は、一般用の浴場をめざし進みました。


のはずが、湯治湯に来てしまいました(あとから気づきました)。


浴室の扉を開けると、弱い石油の香りが漂ってきました。この香りが「効きそう!」という期待をあおります。

写真提供 豊富温泉ミライノトウジ 湯治用の浴室
写真提供 豊富温泉ミライノトウジ 湯治用の浴室

湯治場には、アトピー性皮膚炎など、あきらかに湯治に訪れているとわかる肌の人たちが20代から70代くらいまで入浴していました。


地元の客や湯治客が入り交じって、源泉掛け流しの湯にゆったりとつかりながら、交流をしていました。その会話から、豊富町でアルバイトをしながら湯治に通う若い人もいることを知りました。


湯船につかりながら、ご年配の女性が、20代くらいの若い女性に、

「この間のアレ、うまくいったの?」

と、聞きました。

「はい、なんとかできました!!」

「よかった、よかった!」

などなど、温かなやりとりが広がっていました。

写真提供 豊富町観光協会 町営ふれあいセンター一般湯
写真提供 豊富町観光協会 町営ふれあいセンター一般湯

ところで、話は変わりますが、私はよく「肌がきれいですね!」と言われます。しかし、もともとは肌トラブルの繰り返す人でした。肌がとても敏感で、化粧品かぶれもしょっちゅうだったのです。


それでも、お仕事をするときはメイクをするのがマナー、そういう社会の風潮に迎合して、がんばっていた時代がありました。


また、それだけではありません。背中には22センチほどの手術の傷跡もあります。公衆浴場では、この傷跡を見て、「あなたもなのね!」と、温かな言葉で人をつなぐこともありますが、なかには、心ない言葉を浴びせられることもありました。


悲劇のヒロインを気取るつもりはありませんが、体験した当事者でなければ、わからないことがあるものです。だからこそ、湯治場交流の大切さを感じ入りました。


ちなみに、私はあるとき、自らの体質を受け入れ、ノーメークで生きることにしました。ちなみに、メークだけではなく、化粧水や乳液もやめました。その結果、私の場合、肌トラブルから解放されたのです。


かなり、話しがそれてしまいました。湯治に訪れる人が豊富温泉で、湯治の良き友と出会い、心も体も芯から癒やされることを祈っています。

写真提供 豊富温泉ミライノトウジ
写真提供 豊富温泉ミライノトウジ

温泉に入りながら、みなさまの湯治場交流を聞いていて、ふと、目に入ったのが「原油ボトル」です。ポンプ式のシャンプーボトルのようなものに、「原油」と書かれたものがあることに気づきました。


原油の使い方注意という貼り紙がありました。


この温泉は、古くからやけどや皮膚病に高い効果が期待できる温泉として親しまれています。最近、皮膚疾患の方において「温泉原油」を塗布利用されていますが、人の皮膚も皮膚疾患も百人百様です。ご利用に当たっては、自己管理の下で正しく理解し、少しでも疑問や不明な点がある場合には、主治医と相談してお使いください。



そこで、湯治に来ていた女性に、「どうやって使うのですか?」と聞いてみました。



「原油だから、オイルだから、体に塗って使うんですよ! ただ、書いてあるとおり、人によっては刺激が強すぎて、肌トラブルになることもあるの。だから、まず、少量で試してみたほうがよいと思いますよ」。


ドキドキしながら、ボトルのポンプを1プッシュして手に取り、「我が三段腹」に、塗り塗りしてみました。


トロリとしたオイルが、とても気持ちよく、まるでオイルトリートメントを受けたときようです。三段腹が一晩で、一段に減るという奇跡は起きませんでしたが、このような体験は初めてさせていただけました。


(豊富温泉コンシェルジュデスクによると、原油は採取できる量も不安定なこと、人によっては肌のトラブルになる可能性があるなど、使用法が難しいため、湯治場のみで使えますとのことです)。



一般湯と湯治湯、どちらも泉質は同じで、温度は38〜39℃です。ただ、湯治湯は8:30から10:30まで、「湯の花」が多めになるとのこと。

写真提供 豊富温泉ミライノトウジ
写真提供 豊富温泉ミライノトウジ

油分をたっぷり含んだ温泉と、弱い石油の香り。日頃、都会で消耗している、心も体もとろとろに……。


ユニークな温泉で、クセになりそう、今度は長期滞在していみたいです。


参考文献:豊富温泉ミライノトウジ(子どもの未来社


日本最北端の温泉郷『豊富温泉』で奇跡の油風呂体験!はいかがでしたか? 次回はお楽しみ「豊富温泉で買いたい!食べたい!人気のお土産はコレ」です。


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